～一方(いっぽう)(で), ～一方(いっぽう)だ

～一方(で)

　Ｘ一方(で)、Ｙ

◆接続

　[Ｎで(●)あ(●)る(●) / な形容詞・な / な形容詞・で(●)あ(●)る(●) / い形容詞・い / Ｖ・辞書形] ＋ 一方(で)

◆意味

　①Ｘという面もあるが、（それとは反対に）Ｙという面もある

　　※あることについてＸとＹの対照的な二つの面を対比するときに使う。

　　参考：～ながら,　～に対(たい)して

　②Ｘである。それからまた、Ｙである

　　※Ｘが行われるのと並行して、Ｙのことも行われるときに使う。

　on the other hand, conversely

◆例文①

• 子どもを育てるときには、厳(きび)しく叱(しか)る一方で、ほめることも大切です。
• この部屋は日当たりがよいので、冬は暖(あたた)かくて過ごしやすい一方、夏は暑くてエアコン無しでは生活できない。
• 飛行機は移動に時間がかからない一方、待たされる時間が長い。
• 彼は聴解(ちょうかい)が得意(とくい)である一方、読解(どっかい)は合格点ギリギリの点しか取れない。
• 山本先生は宿題をたくさん出すので子どもに人気がない一方、保護者(ほごしゃ)には人気(にんき)がある。
• 彼女は部下(ぶか)への指導(しどう)が厳しい一方で、細かい気配(きくば)りもできる理想の上司です。
• 新入社員が入ってくる一方で、ベテラン社員が辞めていく。
• 子どもの数が減っている一方で、高齢者の数は増えている。
• 親に感謝(かんしゃ)する一方で、うるさいと思うこともある。

◆例文②

• 昼間に仕事をしている一方で、夜は高校へ通っている。
• メイさんは日本語を勉強をしている一方で、英会話クラスの先生もしている。
• 妻は夕食を作る一方で、子どもの世話もしている。

～一方だ

　Ｘ一方だ

◆接続

　Ｖ・辞書形 ＋ 一方だ

◆意味

　 Ｘの方向だけに変化が進んでいく

　 ※Ｘは変化を表す動詞

　※良くない変化へ使うことが多い。
　　「給料は増える一方だ。」は、違和感のある使い方。

　 ※N3の文法とされる場合もある

　 go on, will just continue

◆例文

• そろそろ秋が終わるので、これからは寒くなる一方です。
• 運動をせず、食べてばかりいるので体重は増える一方だ。
• 物価(ぶっか)が上がる一方で、困ります。
• セキュリティーは厳(きび)しくなる一方です。どんどん面倒(めんどう)な作業が増えていきます。
• 最近、勉強していないので、成績(せいせき)は下がる一方です。
• 言語は使わないと忘れる一方です。毎日、勉強をしてください。
• 雨の日が続き、洗濯物(せんたくもの)がたまる一方です。
• けんかばかりしているあの二人の関係は悪くなる一方だ。
• トラブルが続き、仕事は遅れる一方です。
• 新年のあいさつをメールなどで済ませる人が増え、年賀状(ねんがじょう)を出す人は減る一方です。