~かける ~うちに ~か~ないうちに ~たとたん ~と思ったら
いろいろなタイミングを表す表現。
~かける ~かけの ~かけだ
Aかける
◆接続
V・ます + [かける / かけのN / かけだ]
◆意味
①Aをしている途中だ/Aをし始める
※動作(A)が始まってまだ途中の状態を表す。
※「食べる・読む」などの継続動詞に接続する。
※話者の意志を表すときには使わない。
half-finished, in the process of
②Aをし始めようとする/Aをしそうになる
※「Aをし始めようとする」というAを始める直前の状態を表す。
※「死ぬ・ぶるかる」などの瞬間動詞に接続すると「もう少しでAしそうになる」というAの直前の状態を表す。
nearly, almost
◆例文①
- 今朝は急いでいたのか、飲みかけのコーヒーをテーブルの上に置いたまま出かけたようだ。
- その料理は作りかけです。まだできていなので、もう少し待ってください。
- 宿題をやりかけたまま、寝てしまった。
- 友達に借りた本は、まだ読みかけです。
- この作文は書きかけです。
- 夕飯を食べかけたら電話が鳴りました。
◆例文②
- 自転車に乗っていると、横道から子どもが飛び出してきてぶつかりかけた。
- 息子が困っていたので手伝いかけたが、自分でやるべきなので見守ることにした。
- 沖縄で買ったパイナップルの苗に水をやるのを忘れていたら枯れかけた。
- 会社の帰りに牛乳を買って来てと妻に言われていたことを忘れかけていた。思い出してよかった。
- 突然の大きな音にびっくりして、手に持っていたお皿を落としかけた。
- 素敵なスカートを見つけたので買いかけたが、似たようなスカートを持っていることを思い出したので買わなかった。
~うちに
AうちにB
◆接続
[V・ない / V・ている / い形容詞・い / な形容詞・な / Nの] + うちに
◆意味
①Aの状態の間にBをする,Aの状態でなくなる前にBをする
※「Aの状態でなくなってからでは遅いので、そうなる前に(Aの状態の間に)Bをする」と言いたいときに使う。
※時間より状態の変化に注目している。
while, before
②Aをしている間に自然にBになる
※ずっとAをしている間に、話の意志に関係なく自然にBの状態へ変化が表れることを表す。
in the course of, before you know it
◆例文①
- 今の作業が終わらないうちに、次の作業を指示されてしまった。
- 子どもが起きているうちに家に帰りたいものです。
- 夏は、涼しいうちに勉強や部屋の掃除をしたほうがいい。
- 野菜や果物は新鮮なうちに食べるべきです。そのほうが、おいしいし、栄養価も高いので。
- 夜のうちに雪が降ったらしく、朝起きると一面銀世界だった。
- 夫は夜が明けないうちに仕事に行った。
- 彼の気が変わらないうちに、前から欲しかった鞄を買ってもらおうと思います。
- 親が元気なうちに旅行に行ったり、食事に行ったりしようと思います。
- 今日は傘を持ってきていないので、雨が降らないうちに家に帰ろうと思います。
◆例文②
- 何回も何回も聴いているうちに何を言っているのか分かるようになりました。
- 繰り返し書いているうちに漢字を覚えていました。
- 家を出たときは寒かったけど、歩いているうちに体が温まってきました。
- 何度もスピーチをしているうちに人前で話をするのが平気になりました。
- 同じグループで研修を受けているうちにみんなと友達になっていました。
~か~ないうちに
AかAないうちにB
◆接続
[V・辞書形 / Vた形] + か + V・ない + かのうちに
◆意味
Aするのとほぼ同時にBする。
※Aの変化や出来事が完了する直前か、Aとほぼ同時にBをすると言いたいときに使う。
AとBのどちらが先かよくわからないくらい同じだという様子。
※Bには意志の文はこない。「~てください」の場合、使えるものがある。
〇 会社に着くか着かないかのうちに、お客様に電話をします。
× 会社に着くか着かないかのうちに、お客様に電話をしてください。
〇 肉の色が変わるか変わらないかのうちに、野菜を入れてください。
hardly … when
◆例文
- 部屋に入るか入らないかのうちに電話がかかってきた。
- 演奏が終わるか終わらないかのうちに会場には大きな拍手が沸き起こった。
- 雨が止むか止まないかのうちに彼は家を出て行った。急いでいたのだろう。
- 父は夜が明けるか明けないかのうちから畑に出て野菜の収穫作業をしている。
- 足のケガが治るか治らないかのうちに、手をケガしてしまった。
- 彼は「いただきます」と言うか言ないかのうちに、勢いよく食べ始めた。
- 田中さんからの電話を切るか切らないかのうちに、中村さんから電話がかかってきた。
- 酔いやすい息子は車に乗るか乗らないかのうちに、気分が悪くなってしまった。
- 昨晩は寝たか寝ないかのうちに、大きな物音で目が覚めてしまった。
- この商品は、たいへん人気なのでは店頭に並べるか並べないかのうちに売り切れてしまいます。
~たとたん
AたとたんB
◆接続
V・た + [とたん / とたんに]
V・た。
◆意味
Aをしたのとほとんど同時にBが起こる
※Aをするのが終わったのとほぼ同じタイミングで予期していなかったBが起こったと言いたいときに使う。
※AとBの時間の差がほぼないことを強調したいときに使う。
※Bに意志、命令の表現は使わない
× 家に帰ったとたん、電話をかけます。
× 家に帰ったとたん、電話をかけてください。
As soon as, in a moment
◆例文
- 彼は
布団 に入ったとたん、いびきをかいて寝始めました。 - 家を出たとたん、雨が降り始めた。
- 今日はよく晴れていて気温が高いので外に出たとたんに、汗が出ます。
- 信号が青に変わったとたん、前の車はすごいスピードで走り出した。
- 息子はほこりっぽい部屋に入ったとたん、くしゃみを
連発 し始めた。 迷子 になって泣いていた男の子は、母親に会えたとたん、笑顔 になった。- 彼女はお酒を飲んだとたんに、顔が赤くなります。
- 生徒たちはチャイムが鳴ったとたんに、教室から出て行きました。
- 試験が終わったとたん、覚えていたことを忘れてしまいがちですが、忘れないでください。
- 子どもたちは、雨が止んだとたん、外に出て遊び始めました。
~た(か)と思ったら ~た(か)と思うと
Aたかと思ったらB
◆接続
V・た(か)と + [思ったら / 思うと]
◆意味
Aをしたのに、すぐにBをする
※Aが起こったすぐあとにBが起こると言いたいときに使う。
※すぐBの状態に変化したことに驚いたりあきれたりする気持ちが強い。
※AとBは反対の行動・出来事・状態。
※Bに意志、命令の表現は使わない。
※自分の行動には使わない。×私は家に帰ったかと思ったらすぐ寝てしまいました。
be one moment Aing and the next Bing
◆例文
- 息子は学校から帰って来たかと思ったら、すぐに遊びに行った。
- 勉強を始めたと思ったら、もう
居眠 りをしてる。 - 彼女は笑ったかと思うと泣き出す。難しい性格だ。
- 今、「おやすみなさい」と言ったかと思ったら、もういびきをかいている。
- 夫は出かけたかと思うとすぐに戻ってきた。忘れ物をしたそうだ。
- 晴れたかと思うと曇る。変わりやすい天気だ。
- 山田さんはAさんとの電話が終わったと思ったら、Bさんと電話をしている。とても忙しそうだ。
- そのチケットは販売が始まったと思ったら、5分で売り切れました。
- あの二人はけんかしたかと思ったら、もう仲良く食事をしている。
冷蔵庫 が壊 れたと思ったら、今度は洗濯機 が壊れた。家電 が次々に壊れる。