~あまり, ~からこそ, ~てこそ

~あまり

 AあまりB

接続

 [N() / い形容詞・い / な形容詞・な / V・辞書形 / V・た] + あまり

 ※い形容詞は「さ・み」をつけて名詞化して接続することもできる。
  うれし()()あまり
  悲し()()あまり

◆意味

 AすぎてBになった(Bをしてしまった)

 ※Aな程度が極端なので、普通では考えられないようなBが起こってしまった、と言いたいときに使う。

 ※Aは感情や状態を表す名詞に接続することが多い。

 ※Bには意志・希望・推量の表現は来ない。

 ※「Nのあまり」は「あまりのNに」または「あまりにV・て形」の形に変えられる。
  悲しみのあまり ⇒ あまりの悲しさに/あまりに悲しくて
 
 so A that B

◆例文

  • 緊張のあまり、スピーチの内容を忘れてしまいました。
  • 驚きのあまり、手に持っていたコップを落としてしまった。
  • 彼女は息子がかわいいあまり、甘やかして育ててしまった。
  • 悲しみのあまり、何も食べられなかった。
  • 落ち込んだ娘を心配するあまり、5時間かけて娘に会いに行った。
  • うれしさのあまり、大きな声を出してしまった。
  • パンが大好きなあまり、会社を辞めてパン屋になりました。
  • 寒さのあまり、思うように手が動きません。
  • 久しぶりに会った友達とのおしゃべりが楽しいあまり、気が付くと終電が出ていました。
  • 感動のあまり、涙が出てきました。



~からこそ

 AからこそB

接続

 [V / い形容詞 / な形容詞 / N](普通形) + からこそ
 [V / い形容詞 / な形容詞 / N](ば形) + こそ

◆意味

 Aだから

 ※A(理由や目的)を強調したいときに使う。

 ※「AからこそBのだ」の形で使うことが多い。

 ※参考:~からには

 far because of

◆例文

  • 親というものは、子どもが心配だからこそ、食事やアルバイトのことをいろいろ聞いてしまうのです。
  • 頑張って勉強したからこそ、N2に合格したのです。
  • 毎日一生懸命に練習したからこそ、優勝できたのです。
  • どうしてもかなえたい夢があるからこそ、辛くても頑張れます。
  • 苦しいからこそ、目標を達成した時の喜びが大きいのです。
  • 成功したからこそ、いろいろな失敗や辛い体験を笑いながら話せるのです。
  • どんなにけんかをしても心配してくれるのは、親であるからこそです。
  • 急いでいるからこそ、しっかり確認しながら丁寧に作業をするべきです。
  • 知らない人だからこそ、話せることもあります。
  • なかなか手に入らないチケットだからこそ、手に入れて友達に自慢したくなります。

~てこそ

 AてこそB

接続

 V・て形 + てこそ

◆意味

 Aということが実現してはじめてBがわかる(Bになれる)

 ※Aしてはじめて、Bがわかる・Bになれると言いたいときに使う。
  Aしなければ、Bがわからないという意味になる。

 ※Bはプラスの意味、可能の言葉を使うことが多い。

 it’s only when A

◆例文

  • 自分で働いてこそ、お金を稼ぐことの大変さが分かるものです。
  • 海外へ行ってこそ、日本の良いところ、悪いところを知ることができます。
  • 山頂まで登りきってこそ、山登りの楽しさが理解できるものです。
  • 家族が全員元気でいてくれてこそ、仕事を頑張ることができます。
  • 相手を心から信じてこそ、相手も自分を信じてくれる。
  • 人間は失敗してこそ、大きく成長できるものです。
  • 辛い受験生活を乗り越えてこそ、楽しい大学生活が送れます。
  • 覚えた単語は使ってこそ、本当に覚えたと言えます。
  • 山田さんが出席してこそ、今日の会議を開催する意味があります。
  • 歴史から過去を学んでこそ、これから我々がどうすべきが見えてくることもあります。